B組首位の仙台レディースが、1試合を残して決勝トーナメント(T)進出を決めた。アウェーで浦和と0-0で引き分け、勝ち点を14に伸ばした。後半に攻め立てて得点こそ奪えなかったが、守備陣が無失点と奮闘した。勝ち点12で並ぶ同組2位浦和と3位長野が、最終節の次節7日に直接対決するため、仙台Lは決勝Tに進む条件となる2位以内が確定した。

 苦手にしていた敵地で、仙台Lが1つ目標に掲げた決勝Tの切符をつかんだ。千葉泰伸監督(45)は「アウェーで非常に大きな勝ち点1」と評価した。なでしこリーグに昇格したばかりの13年。初出場したリーグ杯は1次リーグで敗退した。3年後、2度目の出場で成長の跡を見せた。

 午後5時キックオフの前半は、30度近い気温と高い湿度に苦しんだ。日が暮れ始めた後半に涼しくなり、動きが一変。前半の3本から倍の6本のシュートを放った。決定機を生かせずノーゴールに終わったが、浦和に得点を許さなかった。DF北原佳奈(27)は「危ない場面はあったけど、最後は自分たちのペース。無失点は良かった」と胸を張る。千葉監督も「最後まで我慢強く守ってくれた」とねぎらった。

 リーグ戦2勝4敗のアウェー戦は、6月にスタートしたリーグ杯では1勝2分け1敗と簡単に負けなくなった。千葉監督は「精神的なところ」と分析する。8試合でわずか4失点と堅守を発揮し、同監督は「もっと自信を持っていい」と選手にアドバイス。今季開幕前に新潟から元日本代表のセンターバック北原、浦和からボランチ岸川奈津希(25)を補強し、昨季の課題だった守備の強化を図った。試合を重ねるごとに連係は向上した。

 浦和戦に勝てばB組1位突破ができた。主将のMF嘉数飛鳥(27)は「勝ちたかった」。大黒柱のMF川村優理(27)も「勝たなきゃいけない試合」と選手たちは悔しさを見せたが、千葉監督は「負けていれば、メンタル的に最終節は違ってくる」と言った。ドローで最低限の結果は残した。

 最終節は7日の新潟戦。嘉数主将は「勝つことしか考えていない」と1位を狙いにいく。今季7勝1分けと、無敗のホームが追い風にもなる。【久野朗】